九州大学ワンダーフォーゲル部【活動レポート】   

2015年 夏合宿 南アルプス北部(先発) 南アゴリラ隊

○期間:2015年 8月12日〜18日
○登った百名山:北岳、間ノ岳、地蔵岳(鳳凰三山の一部)、甲斐駒ケ岳(途中まで)
○パーティー:光岡(総PL・交通)、今村(PL・会計)、奥田(SL・気象)、重田(SL・遭対)、久保(装備)、本田(食当)、山本(表紙)
○文章:光岡
○行動記録:山本(13・16・17日)、重田(15日)、本田(14日)

○レポート

8月12日 雨後曇り
箱崎駅→(電車)→富士駅

 箱崎駅4時半集合のため外に出ると、大雨。いやーこれはないでしょ。初めから雨具を使うことになるとは。そんなこんなでテンション下がったまま始発に乗り込む。例年通り、岩国と米原で乗り換え時間に余裕があり。岩国では、一度改札を通り、すぐ左にあるスーパーで行動食の足りない分を買い足し。米原駅に着いたのは、ちょうど夕食が欲しくなってくる頃。電車が数分遅れて電車が着いたのがちょうど18時半。別のプラットホームにあるうどん屋のラストオーダーが18時半で、今年もうどんを逃す。ここは改札抜けても何もないので本当に困る。この報告書読んでる諸君も、もし米原駅でうどんが食べたいなら、電車着いてすぐに別のプラットホームまで行ったほうがいいぞ。夜は、箱崎始発で到達最高地点とも思われる静岡県の富士駅で降りる。北口から徒歩5分くらいに図書館と公園があったので、そこで野宿。うどんが食べれなかったのが悔しくて、駅前にある夜蕎麦屋で遅い夕食をとる。あと記憶によく残っているのは、至る所にbellmartというkioskのような駅内にあるコンビニを見つけたのだが、これの文字を並び替えるとmontbellによく似ているなーっていうしょーもない話。とにかく、富士駅まで大した遅延もなく到達できてよかった。あと怖いのは寝坊だけだ。



 帰郷で前夜祭、まさかの円形食卓                                       いただいたメロンを食す


8月13日 曇り 行動時間5:45
富士駅→(電車、バス)→奈良田
奈良田=2:14=休憩舎=3:31=大門沢小屋

 野宿した富士駅近くの図書館軒下を5時に出発。近くのローソンで朝食など最後の買い出しをする。ようやく着いた身延駅。そこから奈良田までのバスは、鳥の絵柄がついたタクシーとバスの中間のような乗り合いバス。後ろに荷物置きがあるあたり、さすが南アルプスふもとを走るバスだ。そのバスの中の広告の一つ「日本一人口が少ない早川町」の通り、家と家がやや離れた間をちょこちょこと抜けるように走る。奈良田に着くと、まず昼食のサンドイッチを食べて荷物を軽くした。じゃないと、岡村先輩と島崎先輩からいただいたメロンを上まで持っていけなかったんだもん!登り始めると、調べていた通りつり橋を渡る。地図には3つのつり橋と書いてあったが、実際に渡ったつり橋は2つだったような気がする。この先は転倒注意なところがつづく。まず、本田が川を渡るための丸太から滑り落ち、右腕にミミズ腫れと左足を打撲。すぐ治療したので大事には至らなかったが、打ち所が悪いと即下山の必要もあったと思う。次に、水に濡れてドロドロの急斜面で奥田がスリップ。ズボンがぐっちょり。幸い、大門沢の小屋は、沢と着くだけに水が豊富だったので、洗濯もできてよかった。



 まだ安全な方のつり橋


4:30 起床
5:19 富士駅→(電車、バス)→8:30 奈良田
8:30 奈良田到着
9:35 奈良田バス停出発
10:00 登山届提出
10:44 登山口休憩(6分)
11:32 2つ目のつり橋後の河原で休憩(5分)
12:20 2つ目の急登後で休憩(本田川に転落、右腕と左脚にけが)(15分)
13:25 標高1520mの河原で休憩(5分)
14:15 大門沢小屋到着
18:00 就寝


8月14日 曇りのち晴れ 行動時間7:20
大門沢小屋=4:40=大門沢下降点=0:50=農鳥岳=1:10=西農鳥岳=0:40=農鳥小屋

 大門沢の小屋を出発するとすぐに霧がかかってきた。そして、農鳥岳につづく稜線に出るまで、高度800mを登る急坂。ひたすら登り続けた。稜線に出て黄色の鉄塔に着いたときは、集合写真をとるほど達成感。稜線にでると一気に風が強くなり、寒い寒いと言いながら昼食を食べる。しかし、その前の数日は天気が悪く、農鳥岳方面から下山してくる登山客から口々に、「これから天気が回復するから良かったね」「上の方はすごい強風だった」と言われる。僕らは良いタイミングで登ってきたようだ。その言葉通り、農鳥岳に着く頃には風も弱まってきた。高度800mを登った疲労を癒すべく、穏やかな農鳥岳頂上で30分ほど昼寝をした。この日に注意しておいたほうが良かったと思う点は二つ。一つは、高山病と思われる頭痛を訴える人が何人かいたことだ。3000mに一気に近づいたので、水分を十分にとりつつ、ゆっくり登ったほうがいいと反省。もう一つは、フェイク頂上に何度も騙されたこと。頂上は目の前と思って力振り絞って登った、もう一つ二つ先に山頂がある、ということが、農鳥岳でも西農鳥岳でもあった。西農鳥岳から一気に坂を下ると農鳥小屋に到着。往復30分の水場は遠かったが、先輩方から注意されていたようには水の出は少なくなく、23L(2300円分)しっかり稼ぎにいった。広がる景色を眺めながら、夕食に2時間(コッヘルのかすりに1時間)費やし、ゆっくり休む。そう、もう二つ注意しておくことがある。農鳥小屋付近では花が綺麗に咲いてるが、その上に荷物を置いたりしないほうがいいぞ。農鳥小屋のおじさんに、花の上に荷物置いてないだろうね?ってざわざわテント場まで確認にきたから。それと…もう一つは、トイレには期待しない方がいいかな。


 稜線でたー風強し!                       農鳥岳 霧が少しずつ晴れてくる


2:30 起床
4:20 出発
4:50 休憩1(5分)
5:25 休憩2(10分) 周囲が明るくなってくる
6:05 休憩3(15分) 気持ちいい水場があった 周囲がガスり始めてくる
6:50 休憩4(15分) 標高2430mくらい 割と急登が多い
7:35 休憩5(15分) 標高2600mくらい 小さな岩の岩場や急登が多い
8:20 休憩6(10分) 標高2730m 狭いルートが多い 森林限界突破
9:00 大門沢分岐到着 昼食 体感温度がいっきに下がる
9:50 大門沢分岐出発
10:20 休憩7(5分) 標高2950m 道は登りやすいが稜線なので風は強い
10:40 農鳥岳山頂着
11:10 農鳥岳山頂発 この時天気は良好で微風
11:50 休憩8(5分) 
12:20 休憩9(10分) 高度のせいかみんな疲れやすくなる
12:40 西農鳥岳 ほぼスルー
12:45 農鳥分岐 農鳥小屋を目指す下り40分コース
13:20 農鳥小屋着 石場が多く風が強い
18:00 就寝


8月15日 晴れ 行動時間8:40
農鳥小屋=1:55=間の岳=1:00=中日峠=0:30=北岳山荘=1:15=北岳=0:30=北岳肩の小屋=1:30=白根小池小屋=2:00=広河原

 北岳農鳥小屋から目の前のそびえ立つ間ノ岳に登頂。間ノ岳の頂上は広く、絶景。遠くまで広がる雲海とそれを押しのけてそびえ立つ富士山を見渡すことができた。同時に、すぐ奥に北岳、さらに奥に鳳凰三山や甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳も見れた。ワンゲラーらしく、北岳をバックにここでもゴリラポーズで写真撮影。間ノ岳を出発して北岳までの3000m超えの縦走路に入ると、突然登山客が増える。サブザックを持った山岳部の高校生に負けじと、僕らワンゲラーはメインザックでひたすらついていく。道が細いところがあるので、離合のたびに止まらなくてはいけないことが多い。今から考えると、パーティーを少人数に分けたほうがよかったと思う。途中の北岳山荘で昼食。今までになく小屋が綺麗で、水洗トイレに驚き。その綺麗さが故か、南アルプスのTシャツやバンダナを購入してしまった。北岳までの登りは岩肌で、ハシゴを使う場面もあった。北岳山頂の着くと、間ノ岳同様晴れて、富士山が綺麗に見れた。アメリカ人のお姉さんに写真を頼まれてそのまま話をしたり、疲れを癒すため風に吹かれつつ昼寝をしたりしていると、頂上で1時間も経過。その後は北岳肩の小屋でテント泊の予定だったが、2日分の工程である広河原まで一気に下山した。その理由は、余力があったから、天気が良いうちに行動したかったから。(広河原のほうが設備が整ってて白米がよく炊けるからってのもある)下山は遅くなったが、広河原のテント場は広く、椅子や売店も充実していたので、ゆっくりアイスを食べて休息をとることができた。長い1日が終わった。



 晴れたー!間ノ岳よりゴリラポーズ 後ろが北岳



 富士山と雲海と朝日 これが見たかった!


2:30 起床
3:00 朝食
4:35  農鳥小屋出発(コースを微妙にずれて農鳥小屋付近の高地にいってしまった為、実質的に出発は4:50)
5:12  休憩(10分)
5:57  休憩(5分)
6:20  間ノ岳登頂
6:45  間ノ岳出発
7:17  休憩(5分)
7:42  中白根山登頂(休憩なしでそのまま素通り)
8:05  北岳山荘着・昼食
9:20  北岳山荘出発
9:40  休憩(5分)
10:00 休憩(2分)
10:20 休憩(5分)
10:35 北岳登頂
11:40 北岳出発
12:10 北岳肩の小屋着
12:20 北岳肩の小屋出発
13:10 休憩(5分)
13:53 白根御池小屋着
14:30 白根御池小屋出発
15:07 休憩(5分)
15:40 重田が斜面に転落・怪我無し(浮き石を踏んでしまう)
15:50 休憩(15分)
16:30 広河原山荘着
21:00 就寝


8月16日 晴れ後曇り 行動時間5:50
広河原=0:15=白鳳峠入口=2:10=白鳳峠=1:05=オベリスク=1:00=白鳳峠=1:20=広河原

 前日の行動時間が長かったのと遅寝だったので、遅めの5時起き。そこからゆっくり朝食の準備してたら、前日に出会ったお酒が好きなおじいさんから、もう鳳凰の稜線に出てることかと言われるほど、出発が遅くなってしまった。広河原から鳳凰峠の地図上の時間は4時間。そのおじいさんは、メインザックを背負った状態で3時間でいけたと聞いた。僕らは、合宿初めてのサブ行動。何時間で登れるか気にしながら坂を駆け上がると、なんど休憩含めて2時間で行けた。朝ゆっくりした分を取り戻せた。鳳凰峠から高嶺を経由して地蔵岳までの道のりは、アスレチックのように楽しかった。ゴツゴツした岩場を駆け上がるのは、サブ行動であるが故だ。そうして着いた地蔵岳の手前のオベリスクを眺めながら堅パンをかじる。地図には「安易に取り付くと下れなくなる」とある通り、頂上付近はロープを使わないと登れないことが、ロープしたまでいってわかった。オベリスク頂上に行くならクライミングの道具や技術を持っていくことを勧める。登頂は本当に危険で怖かった。予定では観音岳や薬師岳までいく予定だったが、そこまでいかず、オベリスクから広河原に一気に下山。なぜかって、ガスってるのに観音岳行ってもなってのと、下山時刻が遅くなるのは嫌だからだな。良くないワンゲラー。



                        これぞオベリスク                                   オベリスク頂上近くは高度感すごい


5:00 起床
6:50 広河原出発(A隊)
7:00 広河原出発(B隊)
※以降A隊の記録 B隊は約5分遅れ
7:30 標高1870mで休憩(5分)森林内急登多い
8:10 標高2150mで休憩(5分)
8:40 標高2350mで休憩(5分)
9:15 標高2585mで休憩(5分)白鳳峠付近
9:50 高峰にて休憩(5分)
   高嶺までの途中看板がなく見極めが難しい分岐があり、そこを右折
10:20 オベリスク麓で昼食(堅パン) 周囲がガスってるため待機
11:10 2隊に分かれて、待機組とオベリスク登頂に挑む組になり行動
    オベリスク登頂(光岡、本田)
12:40 出発
13:10 高峰にて休憩(5分)
13:40  白鳳峠にて休憩(10分)
14:30 標高1960mで休憩(5分)
15:00 広河原到着
19:00 就寝


8月17日 雨後曇り 行動時間1:40
広河原→(バス)→北沢峠=1:00=双児山=0:40=北沢峠→(バス、電車)→名古屋

 今回の合宿で初めての土砂降りの朝、テンション萎え萎え。1年生はテントの中で調理するのも初めて。テントたたんでバスに乗ろうとしてたら突然、山小屋のおじさんがやって「ちょっと時間ないのはわかってるけど…手伝って欲しい!人が亡くなってるかもしれないから」と言われる。ついていくと、車で少し移動したところの右上の崖に荷物が引っかかっていた。前日の夜の雨の中、鳳凰峠につながる急斜面から転落したそうだ。おじさんと一緒に捜索したがすぐには見つからなかったので、僕らは道路に出て荷物の引っかかっている場所を下から案内。まもなく、山小屋のおじさんは転落した人を見つけたようだ。救助を呼ぶおじさんや転落した人の連れであろうおばさんがその様子を見守っているの姿を見ると、山の恐ろしさを思い知った。その後、林道バスで広河原から北沢峠に向かった。大雨のため、登る山を仙丈ヶ岳から甲斐駒ケ岳にし、最終下山日を2日早めてこの日に変更。さらに13:00北沢峠発のバスに乗るために、甲斐駒ケ岳4合目、双児山で下山した。昼食は山小屋で、本田がずっと食べたがっていたフルグラ。なかなかいける。帰りは伊那市駅方面にバスを乗り継いで下界へ。高遠よりも川柳荘の方が風呂が広いとバスの運転手に聞いたので、川柳荘の風呂(600円)に入る。荷物置き場まであって下山客への対応がバッチリなのでオススメ。伊那市駅からは再び18切符の長い旅。名古屋で一泊して18日に福岡に帰る。光岡と本田は富士山へ。



                    名峰「双児山」(笑)                                        雷鳥見れた!


4:30 起床
6:50 広河原→(バス)→7:15 北沢峠
8:30 ひだまり山荘出発
9:30 双児山到着
11:10 ひだまり山荘到着
13:00 北沢峠→(バス)→17:12 伊那市駅
※途中で風呂「仙人の湯」に入る(営業時間10〜22時、料金600円)